2026年茨城県立高校入試の平均点から見る入試の変化
2026年の茨城県立高校入試の平均点が発表された。
数字だけを見ると、2025年よりわずかに上がっている。しかし、全体の流れとして見ると、「平均点が少し戻った」と考えるより、低い平均点の入試が続いていると見た方がよい。
特に、数学と理科の平均点の低さは目立つ。これは、茨城県立高校入試が、単なる知識確認型の試験から、初見の問題を読み取り、考え、判断する力をより強く求める試験へ移ってきていることを示している。
2026年茨城県立高校入試の平均点
茨城県教育委員会が公表した令和8年度入学者選抜の実施状況報告書によると、全日制一般入学の受検者平均点は、5教科合計で262.43点だった。
教科別の平均点は、次の通りである。
- 国語:62.55点
- 社会:58.14点
- 数学:48.34点
- 理科:45.54点
- 英語:47.85点
- 5教科合計:262.43点
2025年の5教科平均点は260.33点だったため、2026年は2.10点上がったことになる。
しかし、2024年の平均点は287.52点だった。そこから見ると、2025年、2026年と、260点台前半の平均点が2年続いたことになる。
つまり、2026年の結果は「2025年より少し易しくなった」と見るより、茨城県立高校入試では、低い平均点の入試が続いていると見る方が自然である。
「300点前後が普通」という感覚はもう古い
2026年の平均点を見てまず感じるのは、茨城県立高校入試を、昔の感覚で「300点前後が普通」と考えない方がよいということである。
もちろん、年度によって問題の難易度は変わる。受験生の学力層や問題の形式によっても平均点は動く。
それでも、2年続けて260点台前半という結果が出たことは大きい。少なくとも、現在の茨城県立入試では、5教科で300点を取ることは、平均的な受験生にとって簡単な目標ではなくなっている。
これは、志望校選びや受験対策を考えるうえで重要である。
平均点が低い入試では、満点に近い得点を目指すよりも、まず取れる問題を確実に取る力が大切になる。難問に時間を使いすぎて、基本問題を落としてしまう受験生は、かなり不利になる。
数学と理科の低さが目立つ
2026年の平均点で特に目立つのは、数学と理科である。
数学は48.34点、理科は45.54点だった。どちらも50点を下回っている。
この数字は、単に「少し難しかった」という程度ではない。平均的な受験生にとって、かなり取りにくい問題が含まれていたと考えた方がよい。
数学では、基礎的な計算問題はある程度できても、複数の知識を組み合わせる問題、関数と図形を関連づける問題、空間図形を平面に表して考える問題で差がつきやすい。
特に空間図形や関数の応用問題では、問題文を読んだだけでは方針が見えにくい。図を描き直し、条件を整理し、どの知識を使うのかを自分で判断する必要がある。
これは、単なる暗記や反復練習だけでは対応しにくい。
正答率の低い問題が示していること
数学では、正答率が非常に低い問題も出ている。
小問によっては、正答率が4.0%、1.4%というものもあった。これは、ほとんどの受験生が解けなかった問題である。
このような問題は、一般的な受験生にとっては「勉強していれば普通に解ける問題」ではない。
もちろん、出題範囲の外から出ているわけではない。中学校で学ぶ知識を使って解く問題である。
しかし実際には、図形の見方を変える力、条件を整理する力、補助線や相似関係を見つける力、途中で方針を修正する力が必要になる。
これはかなり高度な力である。
上位校を目指す生徒にとっては、このような問題への対応力が差になる。一方で、平均層や中位層の生徒が、こうした問題に長くこだわりすぎると、取れるはずの問題まで落としてしまう危険がある。
上位校志望者と中位層では対策を分ける必要がある
2026年の平均点から考えると、茨城県立高校入試では、上位校を目指す生徒と、平均から中位層の生徒で、対策の考え方を分ける必要がある。
上位校を目指す生徒には、初見問題への対応力が必要である。
過去問と似た問題を解くだけでは足りない。初めて見る条件を読み、図や表に直し、使う知識を選び、途中で考え方を修正しながら解く練習が必要になる。
これは、本格的な数学力、理科力に近い。
一方で、平均から中位層の生徒に対して、「難問まで全部解けるようにしよう」と考えるのは危険である。
平均点が260点台前半の入試では、まず100点満点のうち半分前後を確実に取ることが現実的な勝負になる。
基礎計算、語句、基本公式、資料の読み取り、本文から根拠を探す問題を落とさないことが重要である。
必要なのは「解ける問題を取る力」と「見切る力」
2026年の茨城県立高校入試から見える実践的な結論は、かなりはっきりしている。
解ける問題を確実に取る力と、解けない問題を見切る力の両方が必要である。
これは、受験戦略を大きく変える。
昔の感覚では、「問題集をたくさん解けば点数が上がる」と考えられがちだった。
もちろん、問題演習は必要である。しかし、現在の入試では、それだけでは足りない。
どの問題を先に解くのか。どの問題で粘るのか。どの問題は後回しにするのか。どこで撤退するのか。
こうした判断も、入試対策の一部として練習する必要がある。
特に数学と理科では、すべての問題を正面から解こうとすると時間が足りなくなる。解ける問題を先に取り、難しい問題に必要以上に引きずられないことが大切である。
思考力重視の方向は強まっている
2026年の茨城県立高校入試は、良くも悪くも、思考力重視の方向が強く出た試験だったといえる。
知識を覚えているだけではなく、問題文を読み取り、条件を整理し、複数の知識を組み合わせる力が求められている。
これは、上位層を選抜するうえでは意味がある。
ただし、県全体の共通入試として考えると、正答率が極端に低い問題が多くなることには注意が必要である。
正答率1%台の問題は、一般的な受験生の学力差を見る問題というより、かなり上位層を選別する問題である。
高校入試としては、基礎から標準レベルの理解の差がもう少し見える問題も厚くしてよいのではないかと思う。
今後の茨城県立高校入試対策
今後の茨城県立高校入試対策では、まず基礎を固めることが最優先になる。
国語では、本文を正確に読み、設問の根拠を本文中から探す力が必要である。
社会では、語句の暗記だけでなく、資料やグラフを読み取る練習が必要になる。
数学では、計算、小問、基本的な関数・図形を落とさないことが重要である。
理科では、用語、公式、実験の基本操作、グラフの読み取りを確実にする必要がある。
英語では、単語・文法の基礎に加えて、長文の中から必要な情報を探す練習が欠かせない。
そのうえで、上位校を目指す生徒は、初見の応用問題に取り組む必要がある。
ただし、すべての受験生が同じ対策をする必要はない。志望校、現在の得点、得意不得意によって、優先順位は変わる。
まとめ
2026年の茨城県立高校入試の平均点は、5教科で262.43点だった。
2025年よりはわずかに上がったが、2024年と比べるとかなり低い。2年続けて260点台前半となったことで、茨城県立高校入試は、以前より得点しにくい試験になっていると考えられる。
特に数学と理科は、平均点が50点を下回っており、受験生にとって重い試験だった。
今後の対策では、まず基礎を固め、取れる問題を確実に取ることが大切である。そのうえで、上位校を目指す生徒は、初見問題を処理する力を鍛える必要がある。
茨城県立高校入試は、もう「普通に勉強して300点を取る試験」とは考えにくい。
基礎を落とさず、難問に振り回されず、自分の志望校に必要な得点を現実的に取りにいくこと。
2026年の平均点は、その重要性をはっきり示している。