中高生の暗記法まとめ|忘却曲線・赤シート・英単語・理社暗記
中高生の暗記法まとめ|忘却曲線・赤シート・英単語・理社暗記を塾講師の目で整理
暗記が苦手だと感じている中学生・高校生は少なくありません。
英単語が覚えられない。
社会の用語を覚えてもすぐ忘れる。
理科の重要語句をテスト前に詰め込んでも、当日になると出てこない。
ネットで暗記法について調べると、実に多くの情報が出てきます。
忘却曲線、赤シート、暗記カード、音読、白紙法、一問一答、寝る前の暗記、検索練習、分散学習など、名前だけでもかなりの数があります。
ただし、中高生にとって大切なのは、暗記法の名前をたくさん知ることではありません。
大切なのは、実際の定期テストや高校受験、英単語、理科社会の暗記で、どのように使えばよいかです。
この記事では、ネット上でよく紹介されている暗記法を、中学生・高校生の勉強で使いやすい形に整理して紹介します。
この記事の結論
暗記で大事なのは、見るだけで終わらせないことです。
隠して答える。
間違えたものに印をつける。
日を空けてもう一度やる。
この動作を作るだけでも、暗記の質はかなり変わります。
暗記法はたくさんあるが、共通点はかなり近い
暗記法について調べると、さまざまな方法が紹介されています。
しかし、よく見ていくと、結局かなり似たところに集まってきます。
それは、次のような考え方です。
- 一度読んだだけでは覚えられない
- 覚えたつもりでも、時間がたつと忘れる
- 忘れる前提で、何度か戻る必要がある
- 見るだけでなく、思い出す練習が必要である
- できないものだけに絞って戻ると効率がよい
つまり、暗記は「頭に入れる作業」だけではありません。
実際には、「頭から出す練習」が必要です。
1. エビングハウスの忘却曲線
暗記法の記事でよく出てくるのが、エビングハウスの忘却曲線です。
人は覚えたことを時間とともに忘れていく、だから早めに復習した方がよい、という説明でよく使われます。
ただし、忘却曲線を単純に「1日で何%忘れる」という数字だけで覚える必要はありません。
中高生の勉強で大切なのは、完全に忘れてからやり直すより、まだ少し覚えているうちに戻った方が楽だということです。
英単語でも、理科社会の用語でも、数学の公式でも、一度見ただけで終わらせると、すぐに抜けていきます。
覚えた日の夜、翌日、数日後にもう一度戻るだけで、覚え直しの負担はかなり軽くなります。
2. 最初の復習はなるべく早くする
多くの勉強法では、最初の復習をその日のうち、または翌日までに行うことがすすめられています。
これは、完全に忘れてから復習するより、まだ記憶が少し残っているうちに確認した方がやり直しやすいからです。
中学生なら、授業を受けた日の夜に、学校ワークやノートを5分だけ見直す。
高校生なら、英単語や古文単語を寝る前に軽く確認する。
このくらいの小さな復習でも、あとで覚え直す負担を減らせます。
「復習」と聞くと、長時間やらなければならないように感じるかもしれません。
しかし、最初の復習は短くてもかまいません。
大切なのは、最初に戻るタイミングを遅らせすぎないことです。
3. 1日後・1週間後・1か月後に戻る
ネット上では、復習の目安として「1日後」「1週間後」「1か月後」などの間隔もよく紹介されています。
細かい日数に絶対的な正解があるわけではありません。
大切なのは、一度覚えたものを、時間を空けて何度か取り出すことです。
たとえば、今日覚えた英単語を明日もう一度確認する。
一週間後にテスト形式で確認する。
一か月後に間違えたものだけ戻る。
このようにすると、一夜漬けよりも記憶が残りやすくなります。
中高生の定期テスト対策でも、これは重要です。
テスト前日に初めて覚えようとするのではなく、数日前から少しずつ戻る形を作ると、暗記はかなり楽になります。
4. 分散学習|一気にやるより、日を分ける
分散学習とは、同じ内容を一日でまとめてやるのではなく、何日かに分けて学習する方法です。
たとえば、英単語100個を一日で一気に覚えようとすると、かなり苦しくなります。
それよりも、20個ずつ何日かに分けて、何度も見る方が現実的です。
社会の用語も同じです。
テスト前日に全部読むのではなく、数日前から少しずつ確認し、間違えたものだけ戻る。
暗記は「長時間一発勝負」よりも、「短時間を何回か」の方が向いています。
5. 検索練習・想起練習|見ないで思い出す
最近の勉強法で特によく紹介されているのが、検索練習や想起練習です。
これは、覚えたいものをただ眺めるのではなく、見ないで思い出す練習をする方法です。
教科書を読む。
閉じる。
何が書いてあったか言う。
単語の意味を隠して答える。
用語を見て説明する。
この「思い出す」という動作そのものが、記憶を強くします。
中高生の勉強では、ここが非常に大切です。
教科書を読んだだけ、ノートを見ただけ、単語帳を眺めただけでは、テストで答えが出てこないことがあります。
テストで必要なのは、見たときにわかることではなく、見ないで答えられることだからです。
6. 赤シートは読む道具ではなく、テスト道具
赤シートを使った暗記は、中高生にとって定番の方法です。
ただし、赤シートを乗せて眺めているだけでは、あまり強い暗記にはなりません。
赤シートは、答えを隠して自分で答えるための道具です。
- 答えを隠す
- 自分で答える
- 外したものに印をつける
- もう一度、外したものだけ答える
このように使うと、赤シートはただの暗記グッズではなく、簡単な小テストになります。
赤シートで大切なのは、「見えない状態で答えられるか」を確認することです。
眺める道具ではなく、自分をテストする道具として使いましょう。
7. 暗記カードは作るより回す
暗記カードも、よく紹介される暗記法です。
紙のカードでも、スマートフォンのアプリでも、基本的な考え方は同じです。
暗記カードのよいところは、覚えたものと覚えていないものを分けられることです。
ただし、カードをきれいに作るだけで満足すると、暗記にはなりません。
暗記カードは、作ることよりも、何度もめくって答えることに意味があります。
できたカードは外す。
間違えたカードだけ残す。
残ったカードをもう一度回す。
このようにすると、勉強時間をかなり絞ることができます。
8. 何度も書く暗記は、やり方を間違えると手の運動になる
昔ながらの暗記法に、何度も書いて覚える方法があります。
漢字や英単語では、書いて覚えること自体は今でも有効です。
ただし、何も考えずに100回書くだけだと、手だけが動いて頭が働いていないことがあります。
それでは、ただの手の運動になってしまいます。
書いて覚えるなら、次の形にするのがおすすめです。
- まず見て確認する
- 隠して書く
- 間違えたら直す
- もう一度隠して書く
この形にすると、書く練習が検索練習になります。
大切なのは、見ながら写すことではなく、見ないで書けるかを確認することです。
9. 英単語は一回で完璧にしようとしない
英単語の覚え方では、「一度で完璧にしようとしない」「触れる回数を増やす」という考え方がよく紹介されています。
1回で完全に覚えようとすると、暗記は苦しくなります。
しかし、何度も出会うと、少しずつ記憶に残ります。
英単語では、次のような流れが使いやすいです。
- 単語を見る
- 発音する
- 意味を言う
- 例文の中で見る
- 翌日また見る
英単語は、力ずくで一発暗記するより、接触回数を増やす方が現実的です。
特に中学生・高校生の場合、英単語は一度覚えて終わりではなく、読む、聞く、書く、使う中で少しずつ定着していきます。
10. 音読・発音・リズムを使う
英語の暗記では、音読や発音を使う方法もよく紹介されています。
目で見るだけでなく、声に出し、耳でも聞くことで、記憶の手がかりが増えます。
特に英単語や例文は、黙って見るだけだと記号のようになりがちです。
声に出すと、単語の形、音、意味が結びつきやすくなります。
ただし、音読も「声に出しただけ」で終わると弱くなります。
音読したあとに、意味を言えるか。
英文を見ないで言えるか。
日本語を見て英文が出るか。
そこまで確認すると、暗記として機能しやすくなります。
11. 社会・理科はバラバラに覚えない
社会や理科の暗記では、関連付けがよくすすめられています。
単語だけ、年号だけ、公式だけを孤立させると、覚える量が増えて苦しくなります。
たとえば、「鎌倉幕府」という言葉だけを覚えるのではなく、源頼朝、征夷大将軍、御恩と奉公、武士の社会というようにつなげて覚える。
理科なら、用語と図、現象、実験結果をセットにする。
植物のつくり、電流、化学変化、天体などは、言葉だけでなく図や実験と結びつけると覚えやすくなります。
知識を線でつなぐと、丸暗記の負担は減ります。
理科社会は「用語を覚える科目」ではありますが、用語だけを孤立させて覚えると、かえって苦しくなります。
12. 語呂合わせは入口として使う
歴史の年号や理科の分類では、語呂合わせもよく使われます。
「なくよウグイス平安京」のような覚え方です。
語呂合わせは、内容理解そのものではありません。
しかし、最初に思い出すための取っかかりとしては使えます。
大切なのは、語呂合わせだけで終わらせないことです。
語呂で引っかけて、あとから出来事の意味や流れにつなげる。
そうすると、単なる丸暗記で終わりにくくなります。
13. 白紙法|何も見ないで書き出す
白紙法も、暗記法としてよく紹介されています。
やり方はシンプルです。
何も見ないで、白紙に覚えていることを書き出します。
この方法のよいところは、自分が覚えているつもりだった部分と、実際には出てこない部分がはっきり見えることです。
教科書を見ている間は、わかった気になります。
しかし、白紙に書こうとすると、急に手が止まることがあります。
その止まった場所が、次に戻るべき場所です。
社会の流れ、理科の実験手順、英語の文法事項、古文単語の意味などに使いやすい方法です。
14. 間違いは消すものではなく、次に見るもの
暗記では、間違えた問題を嫌がる生徒が多いです。
しかし、間違いは暗記にとって大切な材料です。
間違えたところは、記憶が弱い場所です。
そこに印をつける。
翌日もう一度やる。
できるようになったら外す。
この動きが、暗記を強くします。
間違えた問題をその場で赤で直して終わりにしてしまうと、次につながりません。
大事なのは、間違えた問題をもう一度出して、今度は答えられるか確認することです。
15. 小テスト・一問一答は暗記と相性がよい
一問一答形式は、暗記科目と相性がよい方法です。
理由は単純で、答えを見ずに思い出す形になりやすいからです。
英単語、漢字、古文単語、理科社会の用語などは、一問一答にしやすい分野です。
ただ読むより、隠して答える。
答えられなかったものだけ、もう一度やる。
これだけで、かなり勉強らしくなります。
学校ワークや問題集を使う場合も、答えを見ながら写すのではなく、まず自分で答えることが大切です。
一問一答は、暗記を「見る勉強」から「出す勉強」に変えるための道具です。
16. 似たものを混ぜて練習する
学習科学では、インターリーブ、または交互配置と呼ばれる方法も紹介されています。
これは、同じ種類の問題だけを続けるのではなく、似た問題を少し混ぜて練習するやり方です。
数学で考えるとわかりやすいです。
同じ公式を使う問題だけを連続で解くと、その場ではできた気になります。
しかし、テストでは「どの公式を使うか」から判断しなければなりません。
似た問題を混ぜると難しく感じます。
けれども、そのぶん見分ける力がつきます。
暗記でも同じです。
似た用語、似た漢字、似た英文法、似た歴史用語を区別して答える練習をすると、テスト本番で迷いにくくなります。
17. 図・表・言葉をセットにする
図と言葉を組み合わせる学習法も、暗記に役立ちます。
理科、地理、歴史、英文法などでは、文字だけでなく図や表にすると覚えやすくなることがあります。
ただし、きれいなノート作りが目的になると危険です。
図や表を作っただけでは、まだ暗記とはいえません。
図にしたあと、隠して説明できるか。
表を見ずに再現できるか。
用語を見て図を思い出せるか。
そこまでやって、初めて暗記になります。
ノートまとめは、暗記の完成ではなく、暗記をするための材料作りだと考えるとよいでしょう。
18. 寝る前の暗記と睡眠
睡眠と記憶の関係も、暗記法の記事でよく出てきます。
学習した内容は、睡眠中に整理され、定着しやすくなると説明されています。
中高生の勉強では、徹夜で無理に詰め込むより、寝る前に短時間確認し、しっかり寝て、翌朝もう一度見る方が現実的です。
特に定期テスト前は、睡眠時間を削りすぎる生徒がいます。
しかし、睡眠不足になると、集中力も記憶力も落ちやすくなります。
暗記のためにも、睡眠を削りすぎないことは大切です。
19. ノートまとめだけで満足しない
ネット上の暗記法では、「ノート作りで終わらない」という注意もよく見られます。
きれいにまとめると、勉強した気分になります。
しかし、それだけではテストで思い出せるとは限りません。
ノートを作ったら、閉じる。
白紙に書く。
赤シートで隠す。
家族や友達に問題を出してもらう。
ノートは完成品ではなく、思い出す練習の材料です。
特に中学生の定期テストでは、ノートまとめに時間を使いすぎて、問題を解く時間や覚え直す時間が足りなくなることがあります。
まとめたあとに、必ず「答えられるか」を確認しましょう。
20. 結局、暗記は見るより出す
ネット上の暗記法をいろいろ見ていくと、表現は違っても、かなり同じ結論に近づきます。
暗記は、頭に入れる作業だけではありません。
頭から出す作業が必要です。
見る。
隠す。
言う。
書く。
答える。
間違える。
直す。
翌日また答える。
この流れを作ると、暗記はかなり現実的になります。
奇抜な裏技というより、忘れる前提で、何度も取り出す仕組みを作ることが大切です。
中高生の暗記で本当に大切なこと
暗記法にはいろいろな名前があります。
忘却曲線、分散学習、検索練習、赤シート、白紙法、暗記カード、音読、語呂合わせ。
しかし、中高生の勉強で本当に大切なのは、名前を覚えることではありません。
大切なのは、次の動作です。
- 見るだけで終わらせない
- 隠して答える
- 間違えたものに印をつける
- 日を空けてもう一度やる
- できないものだけに絞って戻る
これだけでも、暗記の質はかなり変わります。
暗記が苦手な子は、頭が悪いわけではありません。
覚える前に、確認する動作が足りていないことが多いのです。
覚えられないと感じたときは、ただ長く読むのではなく、隠して答える。
間違えたものに戻る。
翌日もう一度やる。
まずはそこから始めてみてください。
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FAQ
暗記が苦手な中学生は、何から始めればよいですか?
まずは、見るだけの勉強をやめて、隠して答える練習を入れることです。
英単語、漢字、理科社会の用語などは、答えを隠して自分で言えるかを確認しましょう。
忘却曲線は中学生の勉強にも関係ありますか?
関係あります。
細かい数字を覚える必要はありませんが、人は時間がたつと忘れるため、早めに復習した方が覚え直しが楽になります。
その日のうち、翌日、数日後に戻るだけでも効果があります。
赤シートは効果がありますか?
赤シートは、使い方によって効果が変わります。
ただ眺めるだけでは弱いですが、答えを隠して自分で答え、間違えたものに印をつけて戻るように使えば、小テストのように活用できます。
英単語はどう覚えるのがよいですか?
一回で完璧にしようとせず、見る回数を増やすことが大切です。
単語を見る、発音する、意味を言う、例文で見る、翌日もう一度確認する、という流れを作ると覚えやすくなります。
ノートまとめは暗記に役立ちますか?
役立ちますが、まとめるだけで終わると不十分です。
ノートを作ったあとに、閉じて思い出す、白紙に書く、赤シートで隠して答えるなどの確認が必要です。