毎年11月下旬、東海中学校と東海南中学校の2校とも、高校受験対策用のテキスト5教科セットが、中学2年らに配布されます。ここ数年は、東海中学校は『新研究』、東海南中学校が『整理と対策』です。東海中学校もかつては『整理と対策』を使っていたのですが、数年前に高校進学の実績が悪かった年度があり、それで『新研究』に切り替えたのだそうです。私の塾に通う生徒が言っていました。
私が内容をみたところでは、どちらも似たような構成になっており、レベルも変わらないので、どちらを選んでも良いとは思います。
この『整理と対策』と『新研究』ですが、この2冊を徹底的に使いこなしたら、どの程度まで学力が伸びるのでしょう?
この問いに対して有効な答えを得る機会が3年ほど前にありました。3年前、東海南中学校の生徒であるA君が、中学3年生の5月から中学卒業までのおよそ1年間、私の塾に週2回、通ったののが、その機会です。
塾では個別指導の形で、主に中学3年生の英語、数学、理科を教えました。A君は『整理と対策』が非常に気に入っていて、中学1年生、2年生の復習は『整理と対策』のみを使って行いました。中学3年生の学習は、学校のワークと『整理と対策』を使って行いました。私の塾は、家庭や本人が希望するテキストを使って個別指導の授業を行います。ですが、A君のように、生徒が塾用の教材を希望しないケースは、かつてありませんでした。
A君の数学、理科、英語の学習は、次のようなものでした。A君が、『整理と対策』の演習問題を解き、分からないところは私に質問します。私がそれを説明し、さらにその問題の類題を、塾に置いてあるテキストから探して解かせるという流れでした。
A君は結局、5教科とも『整理と対策』、およびその類題以外のものはこなしませんでした。『整理と対策』の5教科とも、1月の初めには7回から9回繰り返していました。A君はこの頃、「問題を読まなくても解答欄に何の答えを書いたらいいのかわかる」「答えを覚えてしまった」と言っていました。そして冬休みの間に行った高校受験の模擬テストでは偏差値61をとっていました。6月の模擬テストは偏差値49だったので、大変な成長でした。偏差値61というと水戸桜ノ牧高が合格圏内です。
さすがに、整理と対策はやり尽くして手応えを感じなくなったのか、1月初めになってようやく、A君は他のテキストをやりたいと言うようになりました。けれども、数学は実力を伸ばそうという気持ちはなくて、それ以外の4教科をやりこんでいました。その後も偏差値は61をキープしていました。ですが、A君が受験した高校は県立佐和高校でした。理由は、自転車で通えるからというものでした。中学3年生の5月のときには、佐和高校がボーダーで、勝田高校を志望していました、その後、努力して、成績が桜ノ牧高レベルまで伸びたのですが、そんなに努力しなかったときの成績でも合格できる佐和高校を受験したのは驚きでした。当然合格し、A君は母親と一緒に塾にお礼に訪れました。A君は大変満足の結果のようでした。ですが、私としては、あれだけの努力をして成績があがったのだからせめて勝田高校でよかったのにと思いました。
話を戻しますと、『整理と対策」をやりこむと偏差値61、水戸桜ノ牧高校への進学の可能性はあるということです。ただし7回から9回とやりこんでの成績なので、そのやり方は、効率が良いかどうかは判断できませんが。