中学生

英語は主語と動詞を強く意識する

英語が苦手な中学生でも、英語が分かるようになる考え方というのがあります。

その考え方とは、英文の理解について、動詞を強く意識し、次に主語を意識することです。

ここで、始めに動詞について理解しておく必要があります。動詞とは動作を表す言葉です。日本語の動詞は、たとえば、持つ、歌う、書く、読む、見るなどです。英語の動詞も、基本的には動作を表す言葉ですが、動作を表さない言葉も動詞のグループに入るものがあります。

動作を表す動詞 make:作る、sing:歌う、eat:食べる、come:来る

動作を表さないが動詞であるもの want:欲しい、like:好きだ、live:住んでいる

すなわち、英語は日本語と違って、どんなものが動詞になって、どんなものが動詞にならないかの明確な線引きはないと思ってください。では、英語では、その単語が動詞かどうかをどうやって判断するのでしょうか?それは、辞書や巻末の単語表です。英単語1つ1つに、日本語の意味以外に[動]とか[形」とか[名」とか書いてあります。[動]は動詞です。[形]は形容詞、[名」は名詞になります。英語では、単語1つ1つについて、日本語の意味以外に、動詞なのか形容詞なのか名詞なのかを丁寧に覚えていく必要があります。暗記はしんどいものがありますが、ここを頑張って覚えないことには道は開けません。

次に、英語において動詞とはどういったものかを理解したところで、次に英文とともに動詞を考えます。

I have a book. 私は1冊の本を持っている。

I watch TV. 私はテレビを見ます。

They play soccer. 彼らはサッカーをする。

I want a drink. 私は飲み物が欲しい。

これらの英文では、動詞はhave、watch、play、wantになります。ここで押さえることは、1つの英文の中に動詞は1つしか存在しないということです。1つの英文の中に動詞が2つ以上あるのはルール違反で誤りになりますし、動詞がゼロでもルール違反です。

1つの英文の中に、必ず動詞は1つあるので、どの単語が動詞なのかをしっかりと見極めることが大切です。

動詞がどういったものかを把握したら、次は主語について考えます。英語では、主語もまた、動詞と同様に1つの英文の中に1つあります。ただし、これは1つの単語というわけではなく、2語や3語で1つの主語になることがあります。

I sing a song. 私は歌を歌います。

We go to Tokyo. 私たちは東京に行きます。

Ken and I make a chair. ケンと私は椅子を作ります。

Many students walk to a lake. たくさんの生徒らが湖まで歩きます。

上の英文で、主語は、I、We、Ken and I、Many studentsです。Ken and Iは3語で1つの主語、Many studentsは2語で1つの主語になっています。

では、ここで話題を変えましょう。

「私は生徒です」という日本語を英語で表すとどうなるでしょう?私は=I、生徒=studentなので、I a student.となりそうですね。けれども、英語では、1つの英文の中に1つの動詞が必ず必要になるというルールがあります。I a student.では、動詞にあたる英語がありません。Iは代名詞、studentは名詞になります。また、日本語にも動詞にあたる言葉がありません。

では、どうしたらよいでしょうか?

こういった場合に用いられるのがbe動詞です。be動詞とは、am、are、isをまとめたものです。be動詞は、動詞に当たる言葉が、英文の中に存在しないとき、「英文の中に動詞は必ず1つ」というルールを守るために、英文の中に放り込まれる単語なのです。

➀ 私は生徒です→I a student. 意味は通じるが、英文の中に動詞がないのでルール違反。

② そこで、I a student.の文にbe動詞を放り込む。この場合、Iが主語なので、be動詞のうち、amを放り込む。

③ I am a student.となり、1つの英文の中に、be動詞が1つ存在することとなる。これによって「1つの英文に1つの動詞のルール」が守られることになる。

be動詞はam、are、isの3種類がありますが、この3つのうちのどれを選択するかは、主語によって決まります。Iならばamになります。You、We、Theyならばareです。He、She、Itならばisになります。主語に合わせてbe動詞を使い分けるので、動詞の次に大切なのが主語ということになります。また、am、are、isの使い分けはもっと詳しく考える必要がありますが、このページでは、英文の中に主語と動詞をうまく見つけるやり方の説明なので、am、are、isについては後に説明します。

次に「I am busy. 私は忙しい」「I want water. 私は水が欲しい」「I am a teacher. 私は先生です」「I like an apple. 私はりんごが好きです」という4つの英文を考えてみましょう。

「忙しい」も「欲しい」も日本語では形容詞になりますが、英語では「忙しい:busy」は形容詞、「欲しい:want」は動詞になります。busyは形容詞なので、「I busy.」だと英文中に動詞がなく、誤りになります。そこでbe動詞のamを放りこんでルールを守っているのです。

「私は先生です」と「私はりんごが好きです」は、日本語では「~です」という、似たような構造になっています。ですが、これも英文では明確な違いがあります。

Iam a teacher.については、日本語訳の「私は先生です」には動詞が存在しません。英文でも、動作を表す動詞が存在しません。そこで、be動詞が放りこまれるのです。I like an apple.では、日本語では「好きです」が形容動詞の変化したものです。英語ではlikeは動詞になります。それでbe動詞は不要になります。このように、日本語では「~です」という文であっても英語では、be動詞を用いることもあれば、用いないこともあるのです。それは、繰り返し言いますが、英文の中に動詞があるならばbe動詞は使わず、英文の中に動詞がないときはbe動詞を使うのです。