小学生のときは、学校の授業の内容が分からないということはなかったのに、中学生になったら「学校の授業が難しく、ついていけずに困っている」という声を時々聞きます。
教科別でいうと、特に多いのが数学、次が英語です。理科や社会はついていけないというより、定期テストのために覚えなくてはならないこよがらが多すぎて、なかなか覚えられないという状況でしょう。
数学や英語は、積み重ねの教科といって、理解し、暗記した学習内容の上に、新たな学習内容が追加されるというものです。学習内容の理解と暗記ができていなければ、新しく追加された学習内容を理解することはできません。
たとえば、数学ならば、中学1年生で習う正の数・負の数の計算のやり方がわからなければ、中学3年間の数学はどれも理解が中途半端になり、試験の成績はいつも100点満点で4点や5点といった一桁の得点になってしまうでしょう。
それでは、中学生になって授業の内容が分からず、ついていけなくなったとき、つまずいた科目の勉強をどう立て直せばよいのでしょうか?
それについて、お金のかからない順に述べていきたいと思います。
無料で立て直す方法
親、姉や兄、知り合いから教わる方法があります。ただし、これは運が良ければ、身内や知り合いに頼れるというものです。塾や家庭教師以外に、勉強を教えてくれる人を見つけるのは普通は難しいことです。
親は、働いていて忙しかったり、勉強から離れて何十年もたつので忘れてしまったりなどがあります。また、親や兄や姉から教わるのを、本人が嫌がる場合もあります。親が子どもに説明をしていて、子どもが理解できないと、親がすぐに怒るのが嫌なのだそうです。兄や姉の場合は、説明された内容が理解できないと怒られ、問題が解けないとバカにされるので、親から教わるよりもっと嫌なのだそうです。根気よく丁寧に教えてくれ、できなくてもバカにしないという「教え方上手な人」は、なかなかいないようです。
出費が安く抑えられる方法
インターネットでの映像授業をパソコンやタブレットやスマートフォンを使って見る方法です。映像授業で、質が良くしかも安価のものに、スタディサプリとスマートレクチャーの2つがあります。スタディサプリは他のページでも紹介しています。スタディサプリはリクルート株式会社が運営しています。毎月980円で中学生の5教科全ての講座を利用できます。テキストは無料でダウンロードするほか、1教科おおよそ1000円で購入できます。
スマートレクチャーは教科書会社である啓林館が運営しています。こちらは毎月900円です。こちらも中学生の5教科全てを利用できます。本屋さんに売っているテキスト(1冊1000円ぐらい)と合わせて勉強します。
どちらも中学校の成績が真ん中よりやや下の生徒でも理解できるようなスピードと内容の映像授業を用意しています。
これらの映像授業を視聴しても学習内容が身につかない生徒もいます。それは、学習内容の理解力が弱いのではなく、集中力が弱いせいであることが多いです。映像授業を見ているうち、ぼうっとしてしまい、話を聞いているようで聞いていなかったということがあります。こんな場合は、目の前に教える人間がいる家庭教師や学習塾があります。
出費は高くつくが、最も確実に弱点を克服できる方法
映像授業ではだめな場合は、お金を払って、しっかりと教えてくれる人を求めるという方法になります。教えてくれる人としては、家庭教師、学習塾があります。さらに、学習塾については集団指導と個別指導の2種類があります。個別指導にも、1:1(マンツーマン)と、1:2と、1:3~4とがあります。
集団授業形式は、クラス全員が同じ学習内容を取り組むので、つまずいた箇所があって学校の授業についていけなくなった生徒の場合、塾の授業もおきざりにされる可能性があります。めんどうみの良い集団指導形式の塾ですと、補習をしてくれて、つまずいた箇所をしっかり教えてくれる場合もありますが、新たにつまずいた箇所が出てきたらまた補習というわけにはなかなかいきません。
個別指導の場合は、つまずいた箇所の復習をしっかりと行い、それができるようになったら次の学習内容に移るという流れですので、弱点の克服がしやすいです。個別指導で注意するのは先生に対する生徒の割合と、先生の指導の技術です。先生1名と生徒1名が最も良く、先生1人に対する生徒の人数が増えるほど、生徒の弱点克服には時間がかかるようになります。
ただし、1:1と1:2とでは月謝の差が大きく異なるので、家庭の経済状況も鑑みながら1:1ではなく、1:2で運営している個別指導の塾が多くなるのでしょう。また、生徒の学力レベルにマッチした演習プリントを用意し、演習プリントの問題の解説も、その生徒の学力に合わせて分かりやすく書いたものを前もって用意しておくといった工夫をすれば、1:2の指導でも1:1に近づけることはできます。それでも、生徒に学習内容を理解・定着させ、学習内容を含めた総合的な思考力、推理力を高め、学習意欲を強化させ、さまざまな学習方法を身につけさせるというところまで、塾での授業で指導するのであれば、どうしても1:1がベストになるのは事実です。
家庭教師の場合は、1:1であることが多いですが、教える先生が大学生のバイト講師である場合、経験不足や、その生徒をなんとかしてあげたいという情熱の不足がある場合もあります。経験は少なくとも教えるセンスがあり、教える情熱もある学生講師も多くいますので、講師の当たり外れで生徒の学習状況が左右されやすくなります。
いずれにしましても、今ではどの塾や家庭教師センターでも体験入塾や体験授業を無料で行っていますので、生徒のつまずきをしっかりとフォローしてくれるところをうまく見つけるのがよいでしょう。