勉強法

勉強が苦手|得意教科を1つだけでも作る

勉強の苦手な小中学生は、4科目や5科目のうち、1科目だけでいいので、得意教科を作るよう頑張ってみましょう。特に、高校受験までの期間が長い小学生や中学1・2年生は、このことを心がるとよいです。1科目だけでも得意科目ができれば、他の教科も徐々に成績が上がっていきます。

得意科目といっても、クラスで1番になるとか、試験ではいつも90点以上をとるとか、そんな上位をめざさなくてもよいです。クラスで上位にいる、80点以上の成績をとっている、その科目の授業のときは、興味をもって集中して臨めるという水準に達していればよいです。

では、得意教科があるとなぜよいのでしょう?

それは、得意教科を通じて勉強の方法や学習内容に対する興味の持ち方を身につけることができるからです。

たとえば、理科が得意科目であるとしましょう。家庭で毎日、理科を勉強することで学習習慣が身につきます。教科書を読んでいて、学習内容の関連事項を詳しく知りたくなったとき、参考書や事典やネットなどで調べることで、人に命令されずに主体的に学ぶことの楽しさを知ります。理科の試験で良い点をとろうと思い、テスト勉強のやり方 ―― 復習のしかた、習ったことを整理し、理解するやり方、学習内容の暗記のしかた ―― を身につけます。また、得意教科の学力を伸ばそうと努力し、良い成績をとることで、努力すれば自分はできるんだという自信も持つことができます。

得意教科は、受験のときに有利だから、親がその教科を特に頑張って欲しいと思っているからという理由で決めてはいけません。自分が好きな教科を得意教科にすることが大切です。好きな教科だからこそ、勉強それ自体も、他の教科を勉強するときに比べて楽しいものになるし、楽しいからこそ、得意教科にしやすいのです。

たとえば「算数や数学が大切だ、社会は暗記さえすれば試験で良い点がとれるのだから、算数・数学を頑張るほうがいい」という考えが広くあります。けれども生徒自身が算数や数学は好きじゃないけれども、社会は好きである場合、社会を得意科目にすべく、まずは社会の勉強を頑張るべきです。社会の勉強を毎日続けることは、先に述べたような効果をもたらし、その効果は算数や数学の勉強にも波及します。やがて、算数や数学も、社会に対する学習態度のように主体的に取り組めるようになります。