小学生

小学生の速さの問題を貯金が減っていく話で例える

小学生の速さの問題で、先に出発した1人を、もう1人が追いかけ、何分で追いつくかという問題があります。
このタイプの問題は、なかなか理解できない小学生も多いです。
そこで、問題の解き方のイメージが湧くように、ほかのことがらで説明しようと思います。

問いとしては、次のものを用意しました。

妹が、歩きで家を出発しました。妹が家を出てから15分後に、姉が自転車で妹を追いかけました。妹の歩く速さは分速60m、姉の自転車の速さは分速210mです。姉は何分で妹に追いつくでしょうか?

問題の解き方としては、2人の状況がどう変化していくかを注目します。それらを整理すると次のようになります。
1 妹が家を出る。 姉は家にいる。
2 15分後、妹は家からかなり離れている。姉は家を出発する。
3 姉が妹においつく。

上の1と2と3で注目するのは2です。15分後、妹が家からどれだけ離れているかを計算します。妹は分速60mで歩いているので、
15分だと、「速さ×時間=道のり」の速さの公式に代入して、60×15=900mになります。姉はちょうど家を出たところなので、妹と姉は900m離れていることになります。

ここで、話を大きく変えます。
今、900円の貯金があるとします。毎日、母親の家事の手伝いをして、1日あたり60円ずつおこずかいをもらっているとします。このままなら、960円、1020円、1080円・・・とたまっていくはずです。けれども、おいしいドーナツを売っている店があって、その店でドーナツを毎日買って食べているのでお金はたまりません。ドーナツに毎日200円を使っています。毎日60円、おかあさんからもらうのだけど、ドーナツに毎日210円使うので、お金は毎日、150円ずつ減っていきます。210円-60円で150円です。900円貯金があるのですが、毎日150円ずつ減るので、900÷150=6で、6日で900円の貯金がなくなります。

210円入ってくるけど60円ずつ出ていくので、210-60=150円が900円から毎日けずれていくというのがポイントです。これを上の速さの問題にあてはめます。妹は900mの道のりをリードしています。そして1分につき60mずつ進むので、姉が家から動かなければ、姉との差は960m、1020m、1080m・・・と広がっていくはずです。けれども、姉は1分あたり210mでせまってきます。すなわち、妹と姉の間の道のりの差は1分あたり210m-60m=150mずつ縮まっていきます。900mのリードが1分あたり150mずつ減っていくのです。何分で妹のリードがなくなるかというと、900÷150=6で、6分後です。6分後にリードがなくなる、すなわち姉が妹に追いつくことになるのです。
900円の貯金が減っていくのも、900mのリードが減っていくのも同じことがらです。入ってくる量より出ていく量の方が大きいので減るのです。減る量は、入ってくる量と出ていく量の差です。お金なら、60円のおこずかいと210円の出費の差の150円です。速さの問題なら、1分間に60mで進んでいくのと、1分間に210mで追いかけられる差の150mです。

以上のことをふまえて式を作ると
900mのリード÷(210m-60mの速さの差)=6分となります。