英語の学校教育や英語の資格試験、大学入試などで、最近は、英語の4技能という言葉を聞くようになりました。
英語の4技能というのは、英語を「読む・書く・聞く・話す」の4つの技能のことをさします。従来の英語教育は「読む・書く」、入学試験の英語科目は「読む・聞く」が中心でした。
世界では、さまざまな国々や諸地域が、産業でも市民生活レベルでも急速なグローバル化を進めています。これは、日本も例外ではなく、諸産業や学問研究で海外からの刺激を受けるようになってきました。この世界的なグローバル化の流れに合わせて、国際的な標準語である英語をできるだけ身につけるべく、「読む・聞く・書く・話す」の4技能を鍛えていこうというのが、現在の学校教育の目的となっています。
英語の4技能の向上を目標とする動きは、大学入試に大きく表れています。
大学入試では、長く続いた「センター試験」が、2019年度(2020年1月)が最後の実施となります。2020年度からは、「大学入学共通テスト」に変わります。センター試験では、マークシート方式の選択問題のみでしたが、新しい試験は、記述式問題が導入されます。そして、英語では、4技能の評価へと変わります。
センター試験から共通テストへの移行で、特に大きな変化を迎えるのが英語の試験のあり方です。2020年度から2023年度までの期間は、英語は、大学入試センターが実施する試験と、民間の試験の2つを採用します。共通テストを利用する国公立大学や一部の私立大学は、入試センターの試験と民間の試験のどちらか、または両方を利用します。民間の試験というのは英検、TOEIC、TOEFL iBT、TEAPその他です。
センターの試験を利用したほうが合格しやすいのか?、または、民間の試験でも、どの試験を利用した方が合格しやすいのかは、誰にもわかりません。もっとも、4技能を向上させることが何より重要なのは言うまでもありません。
ランクのより高い大学に合格させるため、私立高校などは、4技能の向上に向けた英語指導をすでに開始しています。書くことと話すことにおいては、指導する側に労力が求められます。教育機材というシステムと、英語に習熟している教員や外国人スタッフを準備しなければなりません。こういったことは私立高校の方が公立高校より優位です。ですから、難関大学への進学実績は、全国レベルでいけば現在も私立高校のほうが上ですが、今後さらに私立の優位が強まるのでしょう。