今は、全国のあちこちの中学校で「自分流の枕草子を作ろう」という課題が出されているんですね。
国語の宿題で1人1人が作成するものであったり、4人で1つの班を作り、その班ごとに1作品ずつ作成するものであったりです。あるいは、文化祭で発表する場合もあるんですね。
枕草子のたくさんある段(小品)のうち、中学2年生の国語の教科書に載っている「春はあけぼの」の構成に似せた文章を作るのがほとんどのようです。
構成は「春は~。夏は~。秋は~。冬は~。」になるようです。そして、春夏秋冬それぞれの季節を強く感じさせるものを1つあげるようです。枕草子は「春はあけぼの。夏は夜。秋は夕暮れ。冬はつとめて(早朝)。」をあげていますね。そして、季節を強く感じさせるものの詳しい様子や特徴を述べ、次に筆者の感想を短く添えるようですね。
私が中学生の頃は、こういった課題はありませんでした。参考書に書いてあるようなことをひたすら理解する受け身的な授業ばかりでした。
私が中学生なら、どんなことを書くかな?ということで作ってみました。枕草子は、季節を感じさせるものとして1日の時間をあげているんですよね。夜明け、夜、夕暮れ、早朝です。私は時間ではなく、空間すなわち場所にこだわってみようと思います。
春は校庭。春休みの部活動で、校庭の端に植えられた桜の木々の咲き誇る花びらを眺めながらのランニング。新学期が始まり、その花びらが舞い散る木々のそばで記念写真を撮る新一年生達。春の校庭は希望に満ちている。
夏は駅のホーム。隣の町の夏祭り、大型モール、少し遠い街の映画館に出かけるために列車を待つ暑い昼下がり。1人のときは少しの緊張と退屈さ。数人の仲間と一緒のときは、あたりを我が物顔で独占する陽気さ。ホームから見渡す景色のまばゆさ、緑の木々の濃さ。自分も風景もエネルギーに満ちている。
秋は夕やみがたちこめ始めた帰り道。車のヘッドライトの列が流れる通り。部活動で疲れた体にはしんどい上り坂。坂を上ったところから振り返って眺める東の空の大きな月。夕やみが心の寂しさを強め、心の寂しさは、車のライトや月の光を寄せる気持ちを強める。
冬は書店。冬の長夜に読む小説やコミックを探しに訪れたときの店内の飾り付け。カラフルな飾りや照明で彩られたクリスマスツリー。平積みされた年賀状ソフトの本。特設コーナーに並べられた来年のスケジュール帳、日記。参考書や問題集を選んでいる真剣な面持ちの受験生に、来年の自分を想像し、幾分憂鬱になる。今のうちにやりたいビデオゲームを消火しておきたくなり、書店からアミューズメントショップに向かう。
とりあえず書いてみたけれど、できばえは微妙です。やはり、清少納言は才女でしたね。次は吉田兼好の徒然草にも挑戦してみようと思ったり。