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中学受験

茨城中学校に合格したS君

2017年、城東進学会に通塾したS君は、志望校である茨城中学校の入学試験に合格しました。S君は小学6年生の7月に入塾しました。茨城中学校の入学試験は12月初旬でしたので、彼の受験勉強の期間はおよそ5か月という短いものでした。

それにも関わらず、S君が無事合格を果たすことができた事実は、彼と同じように中学受験をめざす小学生にとって何かしらの有意義な情報となるかも知れません。そこで、S君の城東進学会での5か月間の受験勉強がどのようなものであったのかを述べることといたします。

S君が茨城中学校に進学したくなったこと
S君が茨城中学校への進学を希望するようになったのは、彼の仲の良い友人の影響によるものでした。その友人が小学6年生になって、自分は茨城中学校を受験するつもりであること、そのために個別指導型の学習塾に通い始めたことをS君に言ったのでした。その後、S君と友人は一緒に遊ぶとき、友人が学習塾で使っている中学受験用の算数のテキストの問題を一緒に解くなどするようになりました。そして、S君は友人と算数の問題を解くうち、自分も茨城中学に進学したい気持ちが生じてきたのでした。彼を学習指導して分かったのですが、S君は算数の難しい問題に挑戦するのが好きで、それらの問題の解き方を理解できた時や、理解した解き方を用いて新たな問題をうまく解けた時は、たいへんに知的な喜びを得る性質の子でした。

S君の入塾
S君は、両親に茨城中学に進学したいことを言い、それで城東進学会を尋ねてきたのでした。両親は、S君の勉強に関して本人の自主性に任せていました。S君がクラスで平均以上の成績をとっていればそれで十分であり、また、大学に進学しなくても構わないと考えていました。S君が茨城中学に進学したいと言いだしたのも、両親にとってはたいそう意外なことでした。
また、S君の小学校での成績は、3段階評価で理科と算数が3、国語と社会が2で、両親からみれば特別優秀とも映らなかったようでした。

S君が城東進学会で2回ほど勉強をした後、両親が私に、S君は茨城中学校に合格できそうか尋ねてきました。両親は、S君の能力では茨城中学校の入学試験に合格するのは難しいだろうと考えているようでした。その2回では算数しか教えていなかったのですが、S君の理解力は素晴らしいものがあり、また、応用問題特有の、解くための込み入った手順などもしっかりと記憶化できまていました。それで、算数については茨城中学校は余裕をもって合格できると私は判断し、その旨を両親に伝えました。

S君の指導形態と学習時間
S君の指導形態は、個別指導で行いました。講師である私が1人と生徒2人の形態です。もっとも、7月と8月の夏休み期間中は、他の生徒とできるだけ重ならないよう、1:1になるように配慮しました。夏休み期間中は、1回あたり2時間、合計15回通っていただきました。1時間30分、算数を教え、30分は自習形式で理科、社会を行いました。9月以降は1回あたり1時間30分で週に3回通っていただきました。授業時間は1時間で30分は自習でした。

夏休み期間中に算数を集中的に行い、9月以降も算数に多く時間を割いた結果、10月の半ばに算数は一通り終えることができました。10月半ばから12月初めまでは4科の学習時間配分を均等にしました。

算数の学習方法
茨城中学校は複雑な計算問題が出題され、そこでの取りこぼしは許されません。S君は計算力があり、ひっ算をせずに暗算で解く技量が高い点が有利でした。できるだけ暗算をすること、丁寧に確実に計算するよりは素早く2回解くことのほうが計算力上達につながることを言い、複雑な計算問題は宿題でやらせました。計算問題以外にも図形の問題、文章問題も合わせて宿題を出しましたが、それにかかる時間量は1時間程度のものでした。

算数の学習内容は、夏休み期間中は、茨城中学校の入学試験出題されやすいもの、出題されにくいものにこだわらず、中学受験全般で重要とされるものを広く教えました。普段の学習で中学受験で出題頻度の高い問題に取り組み、解き方を理解・定着させることで、算数や将来の数学での思考力が鍛えられます。中学受験の勉強を通じて、確かな学力を養うためです。S君の場合は、解き方の手順が込み入っていて、要所要所で思考の切り替えが必要な問題を解くこと、簡単に言うと、より頭を使って解くことに知的な愉しさを感じるので、初めから難しい分野の問題を手がけました。すなわち、割合、比、倍数をさらっと教え、仕事算、ニュートン算と学習しました。茨城中学校ではニュートン算は出題されていないのですが、思考を次々と切り替えつつ解いていくことの醍醐味が、算数への知的興味をさらに高め、また、いくつもの新しい論理思考の経路が作られると考えたからです。S君は12月の中学受験まで、算数をずっと楽しく学んでいました。夏休みの初め、時間的な余裕のある時期に、解き方が込み入っていて思考の切り替えがいくつも必要な問題が解けた時の達成感、知的満足を味わったからだと私は考えます。

理科・社会の学習方法
本来ならば、自由自在や応用自在を読み、内容を理解しつつ暗記するという丁寧な学習が大切だと思います。けれども、S君の中学受験のための勉強の開始が小学6年生7月と遅く、時間的な余裕がないこと、茨城中学校は首都圏の難関私立中学校のような難しい問題は出題されないことの2点で暗記中心にしました。幸い小学校の理科や社会の授業内容は身についていたので、暗記といっても、暗記すべき内容の基礎的な部分はすでに理解できており、機械的な暗記にならないことが良かったです。中学受験の本番直前に、重要事項の知識の漏れがないか確認するタイプの薄いテキストを夏休みから12月の入試までの5か月で3回ほど繰り返しました。ノートに書いて解いたのが2回で、3回目は音読でした。

国語の学習方法
茨城中学校は国語の知識問題の出題が少ないのが救いでした。漢字の読み書きと読解問題ですので、国語の学習時間はかなり削ることができました。塾での自習時間に応用自在の読解問題を解いてもらいました。そして、解説の方を丁寧に読んでもらいました。丁寧に読んでいるかどうかはたからみてわからないので、解説は筆写してもらいました。11月からは茨城中学校の過去問を2回解いてもらいました。1回解けば答えは覚えているのですが、それでもかまいせん。文章を読み問題に答える速度を、慣れによって高めるのが狙いでした。

過去問
受験の4週間前からどの教科も過去問を解きました。けれども2週間で終わってしまい、受験までの2週間は何もやることがない状態でした。どの教科も8割はとることができる水準に仕上がっていたのです。かといって、茨城中学校の試験問題より難度の高い問題を入試直前に解かせては、本番での調子が狂うので、問題を速く正確に解く練習をしました。

家庭学習の時間と量
毎回宿題を出しましたが、3回に1回はその宿題をさぼっていました。家庭学習の時間は、中学受験の他の小学生と比較すると決して多くはありませんでした。算数は、授業で習った問題を家でもう一度解くこと、これがだいたい20分、習った問題の類題が20分、塾で教えなくても自力で解ける分野の問題や計算問題が1時間、計1時間40分を2日間での量でした。ほかには、塾のない日は理科30分、社会30分をかけての暗記でした。ですから塾のない日は1日2時間程度でした。学習の進度が遅くなったら増やそうと考えていたのですが、算数の理解・定着も順調で、理科・社会の暗記もすぐに覚えられたのでこの時間量で進めることができました。

最後に
S君の能力は高いものであったため5か月でも十分な水準に達し、合格できたのですが、両親も小学校の先生の評価もその能力が高いものであると知らなかったことは、注目すべきことがらです。
また、本人の能力が高く、そして、本人が学習において何かしらの目標を掲げたとき、学ぶことの愉しさや充実感を損なわせずに学習指導をすれば、本人の学習意欲は高い状態で続くのだということを、S君への学習指導を通じて確認しました。