今回お預かりした原稿は、「定期テスト対策をしないことが、結果的に最高の定期テスト対策になった」という非常に興味深く、かつ本質的なパラドックスを含んでいます。

読者(特に保護者や生徒)を惹きつけるため、「結論(驚き)→理由の提示(過去の経験と現状の課題)→具体例(今回の英語)→塾としての結論」という、読みやすく説得力のある構成へ大胆にリライトしました。ブログや教室のお便りなどにご活用ください。

## なぜ、定期テスト対策を「しない」生徒が学年1位を取れたのか?

現在、城東進学会に通っている中学1年生2名が、それぞれの中学校の定期テストで「学年1位」という素晴らしい結果を出しました。

大前提として、これは生徒本人の努力があってこその結果です。家庭での試験勉強をしっかり行い、テスト前に必要な準備をきちんと積み重ねたからこそ、高い得点につながりました。

ただ、今回の結果には、塾の指導という面から少し考えてみたい「ある事実」が隠されています。

実は今回、この2名に対して、**塾では定期テスト対策をほとんど行いませんでした。**
なぜテスト対策をしなかった彼らが、学年トップに立てたのでしょうか。

### 定期テスト対策の罠:「確認作業」だけでは意欲は限界を迎える

地域の中学生にとって、内申点に関わる定期テストは非常に重要です。そのため、塾でも中学校の進度に合わせ、テスト前にはしっかりと対策を行うのが一般的です。当塾でも、基本的にはその方針をとってきました。

学校の内容が分からない生徒にとって、塾での定期テスト対策は必須です。授業内容を理解し直し、必要な知識を確認することには大きな意味があります。

しかし、**すでに学校の授業内容を理解できている生徒**にとってはどうでしょうか。

彼らにとって、塾でのテスト対策は「あとは覚えるだけ」「演習を繰り返すだけ」という、家でできる自習と変わらない時間になってしまうことがあります。確認作業はもちろん大切ですが、それだけでは「自分は伸びている」という実感は持ちにくく、結果として学習意欲が高まりきらないというジレンマがありました。

### 都内の進学塾で見てきた「突き抜ける生徒」の共通点

私は20代から30代にかけて、東京都内の難関私立高校を目指す進学塾で講師をしていました。そこでは、中学校の定期テストに合わせた授業は行わず、中1から高校受験を見据えたハイレベルな先取り学習を進めていました。

当然、定期テスト対策は一切しません。それでも、その塾の生徒たちは自然と学校のテストで450点以上を取り、学年トップクラスに入っていました。

これは、彼らがもともと優秀だったからという単純な話ではありません。学校の勉強とは一線を画した難度の高い学習に取り組むことで、思考力や暗記力が鍛えられ、**「自分は学校の枠を超えて、自分の学力を本当に高める勉強をしている」という強烈な実感**を持っていたからです。

難しいことに挑戦する実感こそが、最高のモチベーションを生み出していたのです。

### 今回起きた化学反応:英語の「先取り」がもたらした自立

今回、中1の英語指導において、偶然にもその「進学塾スタイル」に近い状況が生まれました。

現在、小学校英語と中学校英語の接続がうまくいかず、中学に入ってから英語に躓く生徒が急増しています。英語は将来の大学受験まで見据えても、絶対に苦手にしてはいけない最重要科目です。

そこで私は、学校の進度にぴったり合わせるのをやめました。簡単なテキストを使いながらも、**文法を中心に基礎を重んじ、学校の授業よりもかなり先取りした内容**をテンポよく教え込むことにしたのです。

結果として、塾での英語学習は、学校の試験範囲とは別の軸で進むことになりました。だからこそ、塾で定期テスト対策を行わなかった(行えなかった)のです。

### 「塾で実力を伸ばし、家庭でテスト対策をする」という最強の分担

では、彼らはどうやって学年1位を取ったのか。

生徒たちは、**学校のテスト勉強はすべて「家庭」で行いました。**
学校のワークを進め、覚えるべきものを暗記し、必要な演習を繰り返す。そうした定期テストの準備は、自分自身の力で十分に行っていたのです。

生徒たちの中に、「塾で学校の試験勉強をする」という感覚はありませんでした。その代わり、「塾では英語そのものの実力を伸ばす勉強をしている」という意識が強く根付いていました。

* **塾では:** 少し先の内容や、学校とは違う角度の学習で「実力をつける」。
* **家庭では:** 塾で高まったモチベーションを原動力に、自分で「テスト対策をする」。

この分担が完璧に機能した結果が、今回の「学年1位」なのです。

### すべての生徒に「最適なアプローチ」を

今回の結果は、「塾での学習が単なる自習の代わりになってはいけない」ということを改めて教えてくれました。

もちろん、すべての生徒にこの方法が合うわけではありません。
学校内容の理解を優先すべき生徒には、学校の進度に合わせて丁寧に指導し、確実な定期テスト対策を行います。基礎があいまいなまま先に進むことはしません。

しかし、**学校内容をすでに理解し、さらに伸びる余地のある生徒には、学校の定期テストだけに合わせるのではなく、少し先を見た学習環境を提供すべき**だと考えています。

学校の勉強を大切にしながらも、学校の勉強だけで終わらせない。
その絶妙なバランスがうまく働いたとき、生徒の学力と意欲は計り知れないほど大きく伸びます。