1日でできる自由研究 透明な氷の作り方
1日でできる自由研究 透明な氷の作り方
夏休みの自由研究で取り組みやすいテーマの一つに、「透明な氷の作り方」があります。
レストランや喫茶店で、透き通ったきれいな氷を見たことがある人もいるでしょう。ところが、家庭の冷凍庫で氷を作ると、多くの場合、氷の中心に白くにごった部分ができます。
同じ水を凍らせているはずなのに、なぜ透明な氷と白くにごった氷ができるのでしょうか。
この自由研究では、氷が白くなる理由を考えながら、できるだけ透明な氷を作る方法を実験していきます。
家庭で作る氷が白くなる理由
家庭の冷凍庫で作った氷の中心が白くなるのは、水の中に溶けている空気や、不純物などが氷の中に閉じこめられるためです。
水は外側から少しずつ凍っていきます。
すると、水の中に溶けていた空気や不純物は、先にできた氷の中には入りにくく、まだ凍っていない中心部分に集まっていきます。
そして最後に中心部分が凍るとき、そこに集まっていた空気や不純物が小さな泡やにごりとなって残ります。
これが、氷の中心にできる白い部分です。
つまり、透明な氷を作るためには、次の二つが大切になります。
水の中の空気をできるだけ少なくすること。
氷を急に凍らせず、ゆっくり凍らせること。
この二つを工夫すると、家庭でも透明に近い氷を作ることができます。
方法1 水を一度沸騰させる
まず試してみたいのは、水を一度沸騰させてから凍らせる方法です。
水の中には、目には見えませんが空気が溶けています。水を沸騰させると、その空気の多くが水の外へ出ていきます。
そのため、沸騰させた水を使うと、普通の水道水をそのまま凍らせるよりも、白いにごりが少なくなることがあります。
ただし、沸騰させただけで完全に透明な氷になるとは限りません。
なぜなら、氷ができるときの凍り方も大きく関係しているからです。急に冷やしてしまうと、残った空気や不純物が氷の中に閉じこめられやすくなります。
そのため、沸騰させた水を使うだけでなく、ゆっくり冷やす工夫も合わせて行うとよいです。
※熱湯を使うときは、必ず大人の人と一緒に行ってください。やけどに注意しましょう。
方法2 ゆっくり凍らせる
透明な氷を作るためには、氷をゆっくり凍らせることが大切です。
冷凍庫の中はとても低い温度になっています。家庭用の冷凍庫は、だいたいマイナス18度からマイナス20度くらいになることが多いです。
この中に製氷皿をそのまま入れると、水が急に冷やされます。すると、空気や不純物が氷の中に閉じこめられやすくなります。
そこで、製氷皿や容器を冷凍庫の冷たい床に直接置かないようにします。
たとえば、製氷皿の下に割りばしや発泡スチロールを置くと、下から急激に冷えるのを少し防ぐことができます。
また、製氷皿をポリエチレンの袋に入れ、その上からタオルで軽く包んで冷凍庫に入れる方法もあります。
こうすると、水が一気に冷えにくくなり、氷がゆっくりできます。
ゆっくり凍ると、水の中の空気や不純物が一か所に集まりやすくなり、透明な部分が増えやすくなります。
方法3 塩水を使って温度を調整する
少し本格的に実験したい場合は、塩水を使う方法もあります。
水は0度で凍りますが、塩を入れた水は0度になってもすぐには凍りません。濃い塩水は、0度より低い温度でも液体のままでいることができます。
この性質を利用すると、氷を急に冷やすのではなく、少し高めの低温でじっくり凍らせることができます。
氷屋さんが氷を作るときにも、冷やした塩水を利用して、大きな氷をゆっくり作る方法があります。
家庭で行う場合は、濃い塩水を入れた容器を冷凍庫で冷やし、その中に別の小さな容器に入れた水を入れて凍らせます。
ただし、この方法は少し難しくなります。
塩水がこぼれると冷凍庫の中が汚れます。
塩水は食べたり飲んだりしないようにします。
ガラス容器は割れることがあるので、使わない方が安全です。
密閉容器に水を入れて凍らせると破裂することがあるので、ふたを完全に閉めないようにします。
自由研究としては、まずは「普通の水」「沸騰させた水」「ゆっくり冷やした水」を比べる実験から始めるのが取り組みやすいです。
実験のやり方
用意するものは、次のようなものです。
水道水。
一度沸騰させて冷ました水。
製氷皿、または小さなプラスチック容器。
割りばし。
タオル。
メモ帳。
スマートフォンやカメラ。
まず、同じ大きさの容器をいくつか用意します。
一つ目には、水道水をそのまま入れます。
二つ目には、一度沸騰させて冷ました水を入れます。
三つ目には、沸騰させて冷ました水を入れ、容器をタオルで包んだり、下に割りばしを置いたりして、ゆっくり冷えるようにします。
それぞれを冷凍庫に入れて、数時間から一晩置きます。
氷ができたら取り出して、白くにごった部分の大きさを比べます。
写真を撮っておくと、自由研究のまとめに使いやすくなります。
観察するポイント
氷ができたら、次のような点を観察します。
どの氷が一番透明に近いか。
白くにごった部分は、氷のどこにできているか。
氷の外側と中心部で、透明さに違いはあるか。
沸騰させた水と水道水では、違いがあるか。
ゆっくり冷やした氷は、普通に冷やした氷と違うか。
大切なのは、「透明になった」「透明にならなかった」で終わらせないことです。
なぜ違いが出たのかを考えることが、自由研究になります。
まとめ方の例
自由研究としてまとめるときは、次のような流れにすると書きやすいです。
まず、研究のきっかけを書きます。
「家庭で作る氷は白くにごるのに、レストランの氷は透明に見えることがある。なぜ違いが出るのか調べてみたいと思った。」
次に、予想を書きます。
「水の中に空気が入っていると、氷が白くなるのではないか。水を沸騰させたり、ゆっくり凍らせたりすれば、透明な氷に近づくのではないか。」
そのあとに、実験方法を書きます。
水道水をそのまま凍らせた場合。
沸騰させた水を凍らせた場合。
沸騰させた水をゆっくり凍らせた場合。
このように条件を分けると、結果を比べやすくなります。
最後に、結果と考察を書きます。
「沸騰させた水の方が、白い部分が少なくなった。」
「ゆっくり凍らせた氷の方が、透明な部分が多かった。」
「白いにごりは中心に集まっていた。」
「水の中の空気や不純物が、最後に凍る部分に集まったのではないか。」
このように、観察したことと、その理由をつなげて書くと、自由研究らしいまとめになります。
透明な氷作りでわかること
透明な氷を作る実験は、見た目がきれいなだけではありません。
水の中には空気が溶けていること。
水は外側から凍っていくこと。
凍る速さによって氷の見た目が変わること。
同じ水でも、条件を変えると結果が変わること。
こうした理科の考え方を学ぶことができます。
自由研究では、特別な道具を使わなくても、条件を変えて比べることで、立派な実験になります。
「水道水をそのまま凍らせる」
「沸騰させた水を凍らせる」
「ゆっくり凍らせる」
この三つを比べるだけでも、氷のでき方について考えることができます。
1日でできる自由研究として、透明な氷作りはとても取り組みやすいテーマです。
うまくいけば、透き通ったきれいな氷ができます。
たとえ完全に透明にならなくても、「なぜ白くなったのか」「どうすればもっと透明になるのか」を考えることが、自由研究として大切な学びになります。