勉強が得意な生徒に共通する「メタ学習」の実践
勉強が得意な生徒に共通する「メタ学習」の実践
勉強が得意な生徒は、ただ長時間勉強しているわけではありません。
もちろん、知識を覚えることも大切です。計算練習も必要です。英単語も、漢字も、社会や理科の用語も覚えなければなりません。
しかし、勉強が得意な生徒を見ていると、それだけではないことがわかります。
彼らは、勉強の中身だけでなく、自分の勉強のやり方をよく見ています。
自分はどこで間違えやすいのか。どのやり方だと覚えやすいのか。どの時間帯なら集中しやすいのか。どの問題をもう一度やれば点数につながるのか。
こうしたことを考えながら、自分なりの勉強法を作っていく力があります。
このように、勉強のやり方そのものを学ぶことを、ここでは「メタ学習」と呼びます。
メタ学習とは何か
メタ学習とは、簡単に言えば、「自分はどうやると学びやすいのか」を学ぶことです。
普通の学習は、英単語を覚える、数学の問題を解く、社会の用語を覚える、というように、教科の中身を学ぶことです。
一方で、メタ学習は少し違います。
「自分は英単語を見ているだけだと覚えた気になってしまう」
「数学は解説を読んだあと、もう一度自分で解かないと身につかない」
「テスト前日は新しい問題に手を出すより、間違えた問題をやり直した方が点になる」
「部屋にスマホがあると集中できないから、別の部屋に置いた方がいい」
こうした気づきが、メタ学習です。
つまりメタ学習とは、勉強している自分を、もう一段上から見ることです。
どんな場面がメタ学習になるのか
メタ学習は、特別なことではありません。毎日の勉強の中にあります。
たとえば、ワークを解いたあとに、問題に◯・△・×をつける。これは立派なメタ学習です。
自分ができた問題、迷った問題、できなかった問題を分けているからです。これは、ただ問題を解くだけではありません。自分の理解の状態を見ています。
また、暗記するときに、ただ眺めるのではなく、隠して言えるか試す。これもメタ学習です。
「見ているとわかる気がする。でも隠すと言えない」という自分の状態に気づけるからです。
テストが返ってきたあとに、間違いを見て、「これは知らなかったのか」「計算ミスなのか」「問題文の読み違いなのか」と分ける。これもメタ学習です。
次に直すべきところが見えるからです。
勉強が得意な生徒は、こういうことを自然にやっています。
ただ問題を解くだけではありません。自分のミスの出方、自分の覚え方、自分の集中の切れ方、自分の得点の取り方を見ています。
勉強が得意な生徒は、自分だけの「すご技」を持っている
勉強が得意な生徒には、教科の知識があります。
しかし、それ以上に大きいのは、自分なりの勉強の型を持っていることです。
ある生徒は、間違えた問題だけを徹底的にやり直します。
ある生徒は、暗記するものを必ず隠して声に出します。
ある生徒は、テスト前に新しい問題集には手を出さず、学校ワークの△と×だけを回します。
ある生徒は、集中できない日は自分の部屋ではなく、リビングや自習室で勉強します。
こうしたものは、その生徒にとっての「すご技」です。
もちろん、派手な技ではありません。魔法のような勉強法でもありません。
しかし、本人に合っていて、実際に点数につながる。これが強いのです。
勉強が得意な生徒は、勉強の中身だけで勝っているのではありません。自分の勉強のクセを知り、自分に合うやり方を使いこなしているのです。
メタ学習マスターになる
メタ学習を使いこなせるようになると、勉強の見え方が変わります。
ただ「勉強しなさい」と言われて机に向かうのではなく、こう考えられるようになります。
今日は何をやれば点につながるのか。
自分はどこで止まりやすいのか。
この問題は、もう一度やるべきなのか。
暗記は見て終わりでいいのか、それとも隠して言うべきなのか。
スマホは近くに置いて大丈夫なのか。
こういう判断ができるようになると、勉強はかなり変わります。
言われたことをただやる段階から、自分で勉強の作戦を立てる段階に進みます。
これが、メタ学習マスターです。
メタ学習マスターになると、自分専用の実行マニュアルを作れるようになります。
たとえば、「試験前は学校ワークをまず1周する」「◯・△・×をつける」「△と×だけをもう一度やる」「暗記は隠して言う」「テスト後はその日に直す」というように、自分が実際に動ける手順を持てるようになります。
勉強が得意になるとは、ただ根性で長時間机に向かうことではありません。
自分に合うやり方を見つけ、そのやり方を使いこなすことです。
まずは実行マニュアルを使ってみる
とはいえ、最初から自分専用の勉強法を作るのは難しいかもしれません。
その場合は、まず基本の型を使ってみるのが一番です。
スマホを離す。ワークを解く。丸つけをする。◯・△・×をつける。△と×をもう一度やる。暗記は隠して言う。テスト後に直す。
こうした基本動作をまとめたものが、こちらです。
試験で勝つための実行マニュアル――家庭学習&定期テスト対策はこうやれ!
まずは、このマニュアルの「重要編」だけでかまいません。
実際にやってみる。うまくいったものを残す。自分に合わないものは少し変える。
そのくり返しの中で、自分だけの勉強法が育っていきます。
それが、メタ学習の実践です。