茨城県立高校入試 合否判定のしくみ
合格・不合格はどう決まるのか
茨城県の県立高校入試は、単純に「入試本番の点数が高い順に合格」という仕組みではありません。
基本になるのは、学力検査の結果と調査書です。さらに、学校によっては特色選抜も行われます。
高校入試は年度ごとに細部が変わることがあります。
実際に受験する年度の「実施要項」「実施細則」「高校別入学者選抜実施方法」を必ず確認してください。
茨城県の県立高校入試では、基本的に
学力検査
と
調査書
を使って合否を判定します。さらに、学校によっては
特色選抜
が行われます。
全体の流れとしては、まず特色選抜に出願した受検者について、特色選抜の合否を判定します。
そこで合格にならなかった受検者は、特色選抜に出願していない受検者と一緒に、共通選抜で改めて判定されます。
特色選抜で不合格になったらそこで終わり、という仕組みではありません。
特色選抜で合格にならなかった場合でも、その後に共通選抜の判定に回ります。
一般入学では、すべての県立高校で共通選抜が行われます。
そのうえで、高校の裁量により、文化・芸術・体育などの分野で優れた資質や実績を持つ生徒を対象にした特色選抜を実施できる、という構造です。
出願は原則として「1校1課程1学科」ですが、同一校内の一部の専門学科、普通科コース、つくばサイエンス高校などでは、第2志望まで認められる場合があります。
また、学力検査前の定められた期間に、1回だけ志願先変更ができます。
共通選抜の学力検査は、全日制では原則として
国語・社会・数学・理科・英語
の5教科です。各教科50分、各教科100点満点、合計500点満点で実施されます。
英語は「筆記テスト35分」と「聞き取りテスト15分」を合わせて50分です。
定時制課程では、学校によって国語・数学・英語の3教科で実施する場合があります。
ただし、音楽科、美術科、メディア芸術科、普通科スポーツ科学コースなどでは、共通選抜でも実技検査が関係します。
実技検査の得点を学力検査の得点に加える学科・コースがあり、実技検査の満点は学校・学科によって100点、200点、300点のいずれかです。
調査書には、各教科の学習の記録、特別活動、部活動・特技、総合的な学習の時間、欠席日数、その他の事項などが記載されます。
入試でよく「内申点」と呼ばれるものは、このうち主に「各教科の学習の記録」にある評定を点数化して見るものです。
中2
中3
茨城県では、中1から中3までの9教科5段階評定が調査書に記入されます。
中3だけではなく、中1・中2の成績も関係します。
135点
1学年あたり9教科×5段階で45点。
3年間では45点×3年となり、一般には135点満点として説明されます。
ここで大切なのは、英語・数学・国語・理科・社会の5教科だけではないという点です。
音楽・美術・保健体育・技術家庭も含まれます。
茨城県の共通選抜では、単に「500点満点の学力検査」と「135点満点の内申点」を足して、上から順に合格させるわけではありません。
実際には、学力検査順位と調査書順位を使い、まずA群・B群に分けて判定します。
茨城県立高校入試の共通選抜は、かなり独特です。
受検者をまず
A群
と
B群
に分けます。
ここで使う基準人数を、仮に「共通選抜で合格させる人数」と考えるとわかりやすくなります。
正確には、募集定員から特例入学者選抜枠や特色選抜枠の合格者数を引いた人数です。
この人数をもとにして、学力検査順位と調査書順位の両方を見ます。
| 判定材料 | A群に入る条件 |
|---|---|
| 学力検査 | 得点合計の順位が、共通選抜枠の80%以内 |
| 調査書 | 3年間の評定合計の順位が、共通選抜枠以内 |
共通選抜で100人を合格させる高校があるとします。
この場合、A群に入るには、学力検査順位が80位以内で、なおかつ調査書順位が100位以内に入っている必要があります。
A群に入った受検者は、原則として合格です。
ただし、調査書の記載事項や学力検査の結果に特に問題がある場合は保留となり、B群に加えられることがあります。
学力検査順位が上位80%以内でも、調査書順位が共通選抜枠以内に入っていなければA群には入りません。
逆に、調査書が良くても、学力検査順位が80%以内に入らなければA群には入りません。
つまりA群は、当日点も内申も、両方ある程度そろっている受検者を原則合格にする仕組みです。
A群で合格者を決めたあと、残りの合格枠はB群から決めます。
B群では、
学力検査重視の選抜
と
調査書重視の選抜
の2本立てで合格者を決めます。
この比率は学校ごとに異なります。
20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20の中から、各高校が定めます。
つまり、同じ点数・同じ内申でも、志望校によって有利不利の出方が変わります。
共通選抜で100人を合格させる高校で、A群合格者が70人いたとします。
この場合、残りの合格枠は30人です。
その高校がB群の比率を「学力検査重視60:調査書重視40」としているなら、
30人のうち18人を学力検査重視で、12人を調査書重視で合格させる、という形になります。
80:20
学力検査重視80:調査書重視20の学校なら、B群でも当日点の強さが効きやすくなります。
本番で得点を取れる生徒にとっては、比較的戦いやすい配分です。
30:70
学力検査重視30:調査書重視70の学校なら、調査書の強さがかなり効きやすくなります。
中学校での評定や活動記録が大切になりやすい配分です。
ここからわかるのは、県内で一律に「茨城は当日点重視」「茨城は内申重視」と言い切るのは雑だということです。
実際には、学校別にB群の比率を確認する必要があります。
B群の「調査書重視」と聞くと、単に内申点135点の高い順で決めるように思えますが、そこも少し違います。
各高校は調査書重視の選抜で、評定以外の記載項目を1項目以上利用するとされています。
調査書には、3年間の評定だけでなく、特別活動、部活動・特技等、総合的な学習の時間等も記載されます。
そのため、通知表の数字だけでなく、生徒会、委員会、部活動、地域活動、探究活動などの記録も意味を持つ場合があります。
ただし、学校がどの項目をどのように点数化・評価するかの詳細は、すべて外から完全に見えるわけではありません。
「この活動を書けば何点上がる」という単純な計算表ではなく、学校ごとの方針に沿って総合的に使われる資料だと考えるのが安全です。
特色選抜は、文化・芸術・体育、奉仕活動、生徒会活動などの分野で優れた資質や実績を持つ受検者を対象にする選抜です。
出願要件は各高校が公表し、その要件を満たしていれば出願できます。
特色選抜枠は、すべての学科で募集定員の50%が上限です。
特色選抜でも、調査書、学力検査の成績、面接またはプレゼンテーション、
学校によっては作文や実技検査などを総合して合格者を決めます。
学力検査は原則500点です。
ただし、IT未来高校のIT科やつくばサイエンス高校の科学技術科では、理科200点・数学200点の傾斜配点により700点になる場合があります。
学力検査以外の資料の配点は各学校が定め、総合得点の満点は1,200点を超えないことになっています。
特色選抜で合格と判定されなかった場合、その受検者は特色選抜に出願しなかった受検者と一緒に共通選抜で判定されます。
つまり、特色選抜は「挑戦して落ちたら即終了」ではなく、制度上はその後に共通選抜の判定が残ります。
第1志望で合格と判定されなかった受検者については、定員を満たしていない第2志望の学科がある場合、そこで選抜されます。
ただし、第2志望が認められるのは、同一校内の特定の学科・コースなど、制度上認められている場合に限られます。
一般入学の合格者発表後、合格者が募集定員に満たない学科・コースでは第2次募集が行われます。
第2次募集では特色選抜は実施されません。
インフルエンザなど学校保健安全法で出席停止となる感染症、急な入院など、
やむを得ない理由で検査を受けられなかった場合は、追検査の対象になります。
第2次募集では、すべての学科で面接を行い、調査書と面接の結果を選抜資料とします。
学校の裁量で作文を実施でき、一般入学の学力検査結果を参考資料にすることもできますが、点数化せず参考扱いとされます。
令和8年度の一般入学では、合格発表は3月11日午前9時にインターネット上の合格発表用Webページで行われ、
合格者の受検番号が発表されました。
合格者には中学校長を経由して合格通知書が交付されます。
学力検査得点については、合格者には各教科の得点と合計点が交付されます。
不合格者には解答用紙の写しが交付される仕組みになっています。
合格者への得点提供は、各学校の合格者説明会で本人確認のうえ行われるとされています。
茨城県の県立高校入試を一言でいうと、
当日点と調査書の両方を見ながら、A群・B群という二段階で合格者を決める制度
です。
A群では、学力検査順位と調査書順位の両方が一定範囲に入っている生徒が原則合格になります。
B群では、残りの合格枠を、学力検査重視と調査書重視の2つの方法で埋めます。
その比率は学校ごとに異なります。
A群に入るためには、入試本番の5教科得点だけでなく、中1から中3までの評定も大事になります。
逆に、どちらか一方が弱い場合でも、B群で可能性が残ることはあります。
ただし、その可能性の大きさは、志望校のB群比率や、調査書重視で利用する項目によって変わります。
茨城県立高校入試は、まず「当日点も内申もそろっている生徒」をA群で原則合格にします。
そのあと、残りの枠を「当日点が強い生徒」と「調査書が強い生徒」に分けて、学校ごとの比率で合格させます。
だから、当日点だけでも、内申だけでもなく、志望校ごとの判定比率まで見て作戦を立てる必要があります。
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実際に受験する年度の最新資料を、必ず茨城県教育委員会の公式ページで確認してください。