英語

英語の3人称単数現在形のSを理解しよう

中学1年生が英語を勉強するときに理解しにくい3人称単数現在形のsについて説明します。
初めに「3人称単数現在形」の言葉の意味の説明をします。
3人称の人称とは、人間やものを話し手(自分)と聞き手(相手)と、話し手と聞き手以外の全てである第三者に分けたものです。
そして、話し手(自分)を1人称と言います。日本語だと、「私・俺・ぼく・あたし・おいら・私たち・俺たち・ぼくたち・うちら・あたしたち」などです。自分をさした言葉になりますね。英語だと数は少なく「I(私は)・we(私たちは)」しかありません。
聞き手(相手)を2人称と言います。日本語だと、「あなた・君・おまえ・あんた・あなたたち・君たち・おまえたち・あんたたち・あなたたち」などです。目の前にいる相手をさした言葉ですね。英語だと1つしかありません。「you(あなたは・あなたたちは)」のみです。
1人称は自分のこと、2人称は目の前にいる相手のことです。そして自分と相手以外の全部が3人称です。世界は3人称だらけなのです。日本語だと「彼女・彼・あの人・あれ・それ・これ・どれ・あっち・そっち・こっち・どっち・彼ら・彼女ら・あの人たち・それら・お菓子・ミルク・夕ご飯・地球・宇宙・愛・平和・戦争・ひまわり・夏・犬」などなど。数え切れないほどです。ここで注意するのは2人称と3人称の違いです。自分の目の前に母親がいて、その母親と話しているならば、母親は2人称になります。たとえば、「おかあさんは、今度の母親に何が欲しいの?」とたずねた場合、おかあさんは目の前にいて、私と話をしているので2人称になります。これが、友達との会話で「わたしのおかあさんは神奈川県で育ったんだよ」と言った場合、おかあさんは、目の前にはいないし、話し相手でもないので3人称になります。
英語での3人称も「he(彼は)・she(彼女は)・it(それらは)・that(あれは)・this(これは)・they(それらは、彼女らは、彼らは)・apple(りんご)・sing(歌)・space(宇宙)・love(愛)」などなど、無数にあります。
そして英語には単数と複数というものがあります。名詞(ものの名前)や代名詞(名詞の代わりに使う言葉)をグループ分けしたことばです。ものが1つだと単数、2つ以上は何個でも複数になります。これを1人称、2人称、3人称にあてはめて、1人称単数・1人称複数・2人称単数・2人称複数・3人称単数・3人称複数というように分けます。
1人称単数は「わたし・俺・ぼく」などです。英語だと「I(私は)」の1語だけです。1人称複数は「私たち・ぼくたち・俺たい」などです・英語だと「we(私たちは)」の1語だけです。2人称単数は「あなた・おまえ・きみ」などです。英語だと「you(あなたは)」だけです。2人称複数は「あなたたち・きみたち・おまえたち」などです。英語だと「you(あなたたちは)」の1語だけです。英語では2人称の場合は単数形も複数形も「you」を使うのです。つまり、youは「あなたは」と訳すこともあれば「あなたたちは」と訳すこともあるのです。
3人称単数は「それ・これ・どれ・彼女・彼・りんご・パン」などです3人称複数は「それら・これら・彼ら・あれら」などです。英語の3人称単数も3人称複数も、日本語と同じように語が無数にあるので代名詞だけを書きます。3人称単数は「she(彼女は)・he(彼は)・it(それは)・this(これは)・that(あれは)・who(誰が)」などです。3人称複数は「they(彼らは、彼女らは、それらは)・these(これらは)・those(あれらは)」などです。
次に現在形についてですが、その前に動詞について説明します。
日本語の動詞は動作や動きを表す言葉です。「眠る・歌う・笑う・勉強する・戦う・出かける・動く・掃除する」などです。日本語の動詞は動きを表す言葉が動詞になりますが(例外があって「ある」「いる」は存在を表す動詞です)ですが、英語の動詞は、動きを表さなくても動詞になることがあります。状態を表す場合も動詞になることがあります。
「go(行く)・come(来る)・eat(~を食べる)・do(~をする)」などは動きを表す動詞です。「have(持っている)」は「何かを所有している」状態を表す動詞です。「want(ほしい)」は日本語だと形容詞ですが、英語だと何かをほしがっている状態を表す動詞です。けれども状態を表す言葉が全部、動詞になるわけではありません。たとえば「busy(忙しい)」は、忙しい状態を表す語ですが、英語でも形容詞になります。英語は状態を表す語のほとんどは形容詞になるのですが、たまに動詞のグループに入るものもあるのです。
操作の説明が終わったところで、現在形について説明します。現在形の現在とは今のことです。これに対して過去や未来というものがあります。英語では現在を表すときと、過去を表すときで、動詞の形が変化します。
たとえば「I have a white bike.(私は、白い自転車を持っています)」では、haveは「今、所有している」という意味です。このhaveは現在形となります。「I had a white bike last year.(私は去年は自転車を持っていました)」ではhadは過去において持っていたということです。このhaveは過去形となります。haveという動詞は現在形がhave、過去形がhadとなるのです。
次に「3人称単数形のs」の「s」について説明します。
これは、主語が3人称単数で、動詞が現在形のときに、その動詞にsがつくというルールです。3人称はとても多い語ですし、動詞が現在を表すことも多いので、動詞にsがつくことは非常に多くなるわけです。
たとえば
「I eat big bread.(私は大きなパンを食べる)」なら主語が1人称、動詞が現在形です。3人称単数現在形のsはつきません。
「She eats big bread.(彼女は大きなパンを食べる)」なら主語が3人称、動詞が現在形です。3人称単数現在形となっているのでeatという動詞にsがつきます。
「She ate big bread.(彼女は大きなパンを食べた)」なら主語が3人称、動詞がeatの過去形であるate(食べた)です。3人称単数現在形になっていません。なので、ateにsをつけません。主語と動詞のどちらの条件も満たされたときにsがつくのです。
なぜsがつくのか、その理由はありません。sをつけることによって何かと何かを区別するということもありません。つけなくてもいい飾りです。けれどもsをつけるリールを守らないと間違った英語とみなされます。ちなみにアメリカ国民の50%は、文章を書くとき、主語が3人称単数、動詞が現在形であってもsをつけていません。sをつけるルールが身についておらず正しい英語が書けていないのです。この50%は、高校や大学に進学しない学歴の低い人たちや、収入の少ない家庭で育った人たちがほとんどすべてです。
ここで注意するのは名詞の複数形にsをつけるルールとの区別です。3人称単数現在形は、動詞にsをつけるものです。名詞の複数形のsは、名詞が2つ以上のときにつけるsです。
「She wants some pencils(彼女は何本かの鉛筆をほしがっている)」の場合は、wantsのsが3人称単数現在形のsです。wantという動詞にsがついています。pencilsのsは、何本かの鉛筆ということで複数の鉛筆ですから、pencilという名詞に複数を示すsをつけます。