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初詣で合格祈願|東海村の村松虚空蔵堂

お正月は、受験校の合格祈願のために神社への初詣を計画している受験生やその親御さんも多いと思います。
また、初詣での合格祈願で参拝するのは神社だと思う人が多いでしょう。実際、学問の神様である菅原道真公を祀っている太宰府天満宮は神社です。ちなみに、菅原道真公を祀っている神社を天満宮や天満神社と呼び、日本全国に建立されています。茨城県には、大生郷天満宮(常総市)、赤土天満宮(常陸太田市)、那珂湊天満宮(ひたちなか市)、天満神社(稲敷市)があります。また、さまざまにある天満宮の中でことに有名な北野天満宮、太宰府天満宮、湯島天満宮の3つの神社を日本三天神と呼んでいます。日本三天神はいずれも有名ですよね。関東の天満宮ですと、東京の湯島天満宮が有名ですね。湯島天神と一般に呼ばれています。こちらも菅原道真公を祀っています。
学問の神様として祀られているのは、他には孔子を祀った湯島聖堂、明治維新を成し遂げた幕末の志士を多く輩出した松下村塾で学問を教えた吉田松陰の松陰神社、二宮金次郎を祀った報徳二宮神社などもあります。
このように合格祈願といえば、神社への参拝が通念になっていますが、寺院への参拝も実はあるのです。
その1つが、茨城県東海村の村松虚空蔵堂です。
虚空蔵堂は、虚空蔵菩薩を本尊とする寺院です。虚空蔵菩薩を本尊とする寺院も全国に多くありますが、三重県伊勢の朝熊山金剛証寺、福島県柳津の霊厳山円蔵寺、村松虚空蔵堂が日本三体虚空蔵尊として有名です。虚空蔵菩薩は、虚空(無限の広がりを持つ宇宙)のような智恵と慈悲を備えているとされます。そのため、智恵、知識、記憶の面での御利益(ごりやく)のある菩薩として信仰されています。
村松虚空蔵堂は、平安初期の807年に弘法大師空海が創建したものです。そして、本尊の虚空蔵菩薩もまた、弘法大師の作であると伝承されています。
なぜ弘法大師かというと、弘法大師は、「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」という修行によって、卓越した記憶力を得たといわれているからです。虚空蔵求聞法は、毎日1万回ずつ、100日間、合計100万回、虚空蔵菩薩の真言を唱え、心身を鍛えるという修行です。この修行を成し終えると、見たり聞いたりしたことは決して忘れなくなるという絶対的な記憶力を授かると言われています。ちなみに真言とは、仏や菩薩の真実の言葉、あるいは、その真実の言葉の働きを表す秘密の言葉という意味です。ですから弘法大師の教えを真言宗といい、密教という宗派に属すのですね。
この1日1万回という語句で、私が思い出すのは漫画「HUNTER×HUNTER」のネテロ会長の修行です。会長は1日1万回、感謝の正拳突きという修行によって、究極の強さを手に入れ、自分を育ててくれた武道への感謝という悟りにも似た境地に達します。作者は、さまざまなことを調べつつ漫画を描くので、弘法大師の修行をヒントにしたのかもしれませんね。
このように知恵の御利益がある虚空蔵堂は、十三参りとして有名です。小学校を卒業し、中学校に入学するまでの期間(おおよそ学校の春休み期間)に寺社に詣でるものです。十三参りは、知恵詣りまたは智恵もらいとも言われています。このことからも虚空蔵菩薩を本尊とする寺院への詣で(もうで)は、知恵を授かる御利益があるのがよく分かると思います。
そういうわけで、初詣は、寺院ではあるけれども、東海村の村松虚空蔵堂に出かけるのもお勧めです。虚空蔵堂は、12月31日夜から1月1日にかけて参詣する二年参りも有名で、一般の人が鐘を突くこともできます。
他には、かなり素敵な御朱印も用意されていて、購入することができます。お守りと合わせて購入し、勉強のときに御朱印を眺めると気持ちが落ち着き学習意欲も高まるかなと思います。精神集中のアイテムとしてうまく活用するといいですね。