小学生

塾に通ってくる小学6年生の歴史の学び方が素晴らしい

現在、城東進学会に週に1回通っている小学6年生の女子児童がいます。塾では算数を勉強しています。
小学6年生で習う社会科の歴史を勉強するのが楽しいらしく、塾ではどんな風に勉強しているかを話してくれます。
教科書の文章を読んで、内容を自分なりにまとめているようです。図や表を使ったり、箇条書きしにしたり、事件やできごとと、それらが起きた原因を並べたりしているようです。小学生の女子なので、3色から4色のボールペンでカラフルに書いているようです。あまり綺麗に書きすぎても、時間の浪費になってしまうだろうとは思いますが、ゲームやラインで遊んだりしない児童でありますし、机に楽しく向かっているならその浪費もいいかなとも思っています。
小学校に『東大合格生のノートはかならず美しい』という本がおいてあるそうです。東京大学に合格した生徒の小学校、中学校、高校時代のノートを撮影した画像が載っているそうです。この生徒はおそらく、そのノートに刺激されたからなのでしょう、ノートを丁寧に書けば今よりももっと賢くなるかもしれないと思って書いてるのかなと思います。それについては、私は聞きません。今のまま、丁寧に自分なりにまとめノートを作っていれば、地頭も鍛えられて学力は必ずあがるからです。余計なことを言って、その児童が頑張っているムードを壊すのは勿体ないことです。
他には、この児童の年号の暗記の仕方が独特で、実に素晴らしい方法なので感心しました。たとえば、1854年に日米和親条約を覚え、その4年後に日米修好通商条約、その9年後に大政奉還、王政復古の大号令というように、その何年後に~というやり方で覚えているのです。これだと事件やできごとの時系列を、よりはっきりと意識します。また、できごととできごとの間の間隔がどのくらいかも、~年後という覚え方でははっきりと認識しますし、幕末から明治中期までがどのぐらい激動であったかを実感として味わうことができます。
中学校でも歴史を習い、高校入試でも出題されます。特に難しいのが、事件やできごとの時系列を正しく覚えているかを問う問題です。このやり方はそれに対して実に有効です。
また、この女子児童は歴史上の人物の肖像と人物名を一致させるのが苦手で、徳川家康と豊臣秀吉は全然おぼえられないそうです。信長の「泣かぬなら殺してしまおうホトトギス」、秀吉の「泣かせてみせようホトトギス」、家康の「泣くまで待とうホトトギス」は、学校で信長を習ったときに、学校の先生がついでに教えたようです。この川柳のイメージが強すぎて、秀吉と家康は肖像画と名前が一致しないのだと思います。「泣かせてみようホトトギス」ならば諸葛亮孔明のような知的なイメージを持つでしょうが、ただの痩せたおじいさんですからね。
これについては、塾の授業を5分前に終わらせて、肖像画を見ながら紙にイラストを書いていました。これについても私は、無駄なことをやっているなと思いましたが、慶應義塾大学出身のオリエンタルラジオの中田敦彦さんが、大学受験の時、歴史上の人物は似顔絵を描いて覚えたというのをあとで知って、ほうっと思いました。肖像画を描いて覚えるのも記憶に残りやすいやり方なんですね。たまたま一致したのだろうと思いますが、この女子児童は、歴史の勉強が好きなだけあって、勉強のやり方もセンスがあって素晴らしいと思いました。
勉強法は、自分で勉強しながら、自分で編み出していくのが最も効果的ですし、勉強法を編み出すのもまた、勉強の楽しさの1つだと思います。